ぬばたまの闇かと思ふあの日から 灑ぐ涙ぞ雨と降りける
照滴069
本文
ぬばたまの闇かと思ふあの日から 灑ぐ涙ぞ雨と降りける
形式
#短歌
カテゴリ
#4.無常・生死
ラベル
#涙 #無常 #雨 #喜怒哀楽
キーワード
#ぬばたま #闇 #涙 #雨 #思い出
要点
過去の闇のような出来事以来、涙が絶えず降り注ぐような心象。
現代語訳
ぬばたまの闇のようなあの日から、灑ぐ涙は雨のごとく降り注ぐ。
注釈
ぬばたまの:「黒」「夜」「髪」「夢」など、それに類する言葉にかかる枕詞
解説
深掘り_嵯峨
個人的な悲しみが宇宙的な現象にまで拡大した歌です。「ぬばたまの闇」という極度の苦悩を感じた「あの日」以降、自分の涙が「雨と降りける」ように絶え間なく降り続いていると表現しています。心の内的な悲しみが、外的な世界(雨)にまで影響を与えているという、自己と世界の一体感を、悲哀の感情を通して表現しています。